かえりたいけどおわらない

かえりたいけどおわらない

しごとがおわらない

 

気持ちはわかる

かえりたいんです、ぼく

気持ちはわかる

 

しごとがおわらないけど

かえってしまって

またつぎのひ、最悪な気分で一日がスタートする

 

お客さんにはおこられ、信用をうしない

またうまくいかない

きょうもうまくいかない

かえりたいから、かえる

いつまでたってもうまくいかない

 

後輩は残業しているのに

先輩の僕はかえりたいからかえる

 

しごとなんでどうでもいい

ぼくにはぼくのじんせいや

会社以外の人間関係があるから

へいきさ

 

でも、かいしゃでは

うとまれ、蔑まれ、うまくいかない

給料もあがらない

でもいいや

 

でもいいか?

 

できない、したくないことから

にげて、元々やる気がなかったからだとか

そもそもどうでもいいやなんて

思う人には

 

かいしゃどころか、会社以外の人間関係だって

どこかで煮詰まってしまうんじゃないかなあ

 

なんでもそうだけど

皮肉屋や冷笑屋、つまりは情熱のないやつ、やる気のない奴は

どこにいったってうまくいかないよ

 

趣味にかたむける情熱ほどでなくてもいいから

すこしは真面目にがんばってごらんよ

 

うまくいかなったことが

ほんのすこしうまくいくようになって

かえりたいけどおわらない、ことが

おわったからかえる、になるんだよ

 

それがふつうだよ。

それがあたりまえだよ。

 

 

そんなあなたは、きっとただしい

忙しいから出来ない、と

言われてしまうけれど

じゃあだれがやるんだろう

代わりにやってくれる人もいないのだし

てことは君がやるしかないし

忙しいのはわかってるんだけど

きみが忙しくてもやらないと困る人が出てくるし

ねえ、だから、やってみようよ

なんてことをいうと

なんとなくあいても理解してくれたりする

 

やりたくないなーとおもうんだけど

でも、じぶんがことわっても

誰かがそれをやらなきゃいけないし

たちばてきにもじぶんがやるものなんだろうし

今逃げてもまた同じ話がくるんだろうし

どうせにげられないんだから

んじゃ、いまやったほうがいいよなあ

というかんがえで

人がいやがるしごとをひきうけて

とはいえ、やってみると思いのほか楽しく

なんだかそんなことばかりしているから

本来の仕事がなかなかすすまないけど

のらりくらりとやっている

 

そんなあなたは、きっと

正しい道を歩んでいる気がしているんです

ばかなひと、かしこいひと

ばかなひとは、へまをする。

かしこいひとは、うまくやる。

 

もっとかしこいひとは

ばかなひとでもうまくやる方法を考える。

 

かしこいひとは、ばかなひとを、ばかだなと思い

もっとかしこいひとは、かしこいひとを、ばかだなと思う。

 

 

同じレーンにボウリングの球を投げ続ける

同じレーンにボウリングの球を投げ続けたって

隣のレーンのピンが倒れるわけではない。

 

球を投げたレーンにあるピンが

倒れるだけのことで

ストライクの時もあれば、スペアの時もあるだけで

 

隣のレーンのピンが倒れるわけではない。

 

もし、隣のレーンのピンを倒したいと思っているのに

目の前のレーンに球を投げ続けている人がいたならば

君は彼を『狂っている』と思うだろう。

 

ただ、どうして、なかなか、世の中にはそんな狂った人も少なからずいるんだ。

 

新しい小説を買うことをせずに

昔読んでおもしろかった小説を

繰り返し読んでいる自分も

もしかしたら狂っているかも知れないね。

今日も一日が終わる

今日も一日が終わる、今日も一日が終わる

と思っていたら

一週間が終わり、一ヶ月が終わり、一年が終わる。

重い荷物を背負いながら
耐えて頑張っている。

夏が終わって秋になると
ひと心地ついて、そんなことを考える。

 

そんな人たちのことを考える。

 

かつて共に理想を追った、死人の君へ

様々なことが変わっていく。
仕事や環境や、考え方が。

別れた人たちは
いまどうしているのだろうか
ネットは便利だ。
検索すると近況を知ることができる。

ああ……。
しかし、調べない方がいいのだ。

実利をつかむために
名前を売るために
人の下に甘んじている君を知ってしまった。

やすい酒を酌み交わしながら
理想を語り合い、一緒に理想に向かってに汗を流した君は
もう死んでしまったのだろう。

しかし、それも君が選択したのだろう。
ならば、悲しみを押し込み、僕はそれを尊重し、応援しなくてはならない。

青春を共に過ごした君へ
エールを送り、苦いウイスキーを流し込むと
大昔に語り合った理想の言葉が
バラバラと散っていってしまう気がした。

そんな気持ちに戸惑い、苦しみつつも
もうとうに大人になった僕は
それでもなお、君の今後の活躍を祈っている。

かつて共に理想を追った、死人の君へ。