かつて共に理想を追った、死人の君へ

様々なことが変わっていく。
仕事や環境や、考え方が。

別れた人たちは
いまどうしているのだろうか
ネットは便利だ。
検索すると近況を知ることができる。

ああ……。
しかし、調べない方がいいのだ。

実利をつかむために
名前を売るために
人の下に甘んじている君を知ってしまった。

やすい酒を酌み交わしながら
理想を語り合い、一緒に理想に向かってに汗を流した君は
もう死んでしまったのだろう。

しかし、それも君が選択したのだろう。
ならば、悲しみを押し込み、僕はそれを尊重し、応援しなくてはならない。

青春を共に過ごした君へ
エールを送り、苦いウイスキーを流し込むと
大昔に語り合った理想の言葉が
バラバラと散っていってしまう気がした。

そんな気持ちに戸惑い、苦しみつつも
もうとうに大人になった僕は
それでもなお、君の今後の活躍を祈っている。

かつて共に理想を追った、死人の君へ。