話すことなんか、ない

仕事場の人たちと話すことなんか、ない。
仕事の話を除いては。

だって、
「どんな音楽が好きなんですか?」
「どんな映画が好きなんですか?」
「暇なとき、何しているんですか?」
なんて、聞かない。

いや、まぁ、そういう話をするときもあるけれど
ごくまれに、だ。

でも、昼飯時なぞ
同僚と、リフレッシュルームでめいめいが
弁当をパクつきながら黙々と食べてるのも耐えられない。

だから

「仕事、どんな調子ですか?」
「締め切り、きついよね」

なんて話をする。
お互いに共有してるのは仕事の話だから。


家族の話をしたり
趣味の話をしても

「へー、そうなんだ」

で終わっちまうのが、学生の頃との違い。

今更ながら、息苦しさを感じている。

でも、毎日苦しい思いをしてるから
みな、どこか壊れちゃってんのかもしれない。
みなさん、金はたんまりもらってるけど
使う暇もないのだろうし。

淡々とやってる。
仕事帰りにふらりと酒を飲みに行く暇もない。

組織の中にいるとこんなもんかとおもえるけど、友人と話すと自分の置かれている状況の異常さがわかって、ゾッとする。

俺は現状に、取り立てて不満がないのだが、それがもしかしたら、なにか大事な感覚が麻痺してるのではないかと思うと……。

どんなに疲れていても、ウイスキーをのみ、気が向いたら、今日のようにブログを書く。

すると、ふっと気が抜けて
こんなことを考えるようになるのだ。

精神が自由になる瞬間だ。