はたらけ

はたらけ、と言われた。

 

売り上げがやばいから

働けば売り上げが上がるから

はたらけ、と言われた。

 

みんなは、売り上げがやばいから

明日やればよい仕事を

今日やることにした。

 

みんなの残業時間が増えて

売り上げはあがった

 

更にはたらけ、と言われた。 

まだ売上がたりないといわれた。

お盆は10月以降にずらして欲しいと言われた。

 

可能な人はお盆休みをずらして

はたらいた。

休みを取らずはたらいた。

 

はたらけといったひとは

会社のゴルフコンペで休みを取っていた。

 

はたらけといわれても

はたらかない人もいた。

 

みんなは

朝家を出て

次の日に家に帰る。

 

評価の時期がやってきて

はたらいた人は評価されていなかった。

会社の行事に率先して参加しなかったからだといわれた。

 

はたらいているのだから

会社の行事に参加できないのでは?ときいたら

仕事が忙しくても参加する奴は参加すると言われた。

 

お盆休みをずらしてまで、はたらいた人は評価されないのか聞いた。

 

あいつははたらけと言わなくても、元から残業していただろう、といわれた。

 

はたらいてもらったけれど

売り上げは目標に達しなかったらしい。

 

愚かなのは

はたらけと言った方なのか

はたらけと言われてはたらいた方なのか

それはわからないけれど

社会はこういう風に回っている。

 

どちらも愚かだとしたら

社会というものは愚かなんだろう。

 

少なくとも自分の部下に対して

休みをずらしてはたらいてくれた人は

次の人事査定で高評価にしようとおもった。

 

そうでもしなきゃ

もうしわけがないよ。

それに、そうでもしなきゃ

みんないなくなってしまうよ。

 

はたらいた方も愚かなのかもしれないけれど

はたらけと言った人は

人をなんだと思っているんだろう。

 

信賞必罰がなければ

兵士だって戦地に赴くかどうか

怪しいものだと思うけどなあ。