ともだちとかのじょ

「嫁は一生付き合う、友達はそうはいかない。だから、どっちを大事にすべきか、わかるだろう?」

何てことを、昔々通っていたバーで言われた。
当時は独身だったので、ぴんとこなかったし、友人たちにも
「オンナが出来ても遊ぼうぜ」なんて言っていた。

で、そのオンナが出来たら、やはり疎遠になった。

これは俺もそうだし、友達もそうだ。
彼女ができれば、パチンコや競馬ではなく、おしゃれな町へ出かけたり、美術館行ったり、雑貨屋に入ったりする。

いわゆるデートってやつだ。

そして、結婚する。

ほどなくして、疎遠になった友人たちのことを想う。
強く会いたいと思うが、いちど友達を「裏切った」訳なのであるから
昔のように気軽に連絡するのは、なんとも気が引ける。

でも、勇気を出して友達と会ってみると
なぁんてことはない、向こうも向こうで同じようなことを思って、悶えていたのだった。

しかし、だからといって
頻繁に会いたいとは思わなくなっている。

ともだちと会うのは時折でよい、と
思うようになっている、なぜなら
かのじょがいるからなのだ。

しかし、どちらが大事かという問いはやや、的がはずれている。

生きるために必要な水のように
水素原子2個、酸素原子1個の割合くらいで
ともだちとかのじょは存在していて
どちらがかけても、とても困ってしまう
そんな、かけがえのないものなんだよな。

そろそろゴールデンウイークだ。
ともだちとうまい酒でも飲みに行こう。

もちろん、こちらから誘うのだ。